株の格言「もうはまだなり、まだはもうなり」まさにその通りの失敗をした話。

まだはもうなり、もうはまだなり、の格言のイメージ お金の話

株の世界に、

「もうはまだなり、まだはもうなり」

という相場の格言があります。

「もう十分下がった」と思ったときは、まだ下がるかもしれない。

逆に「まだ上がる」と思ったときは、もう上昇が終わるかもしれない。

つまり、自分の「もう」「まだ」という感覚は、意外とあてにならないという意味です。

行動経済学の視点から見ると、なかなか面白い話です。

1.「もう底だろう」と思うと、まだ下がる

株価が大きく下がると、

「もう十分安くなっただろう」

と思って、買いたくなります。

でも、そのとき基準にしているのは、たいてい「その前の株価」です。

1,000円だった株が600円になれば、「600円は安い」と感じる。

これは行動経済学でいうアンカリングの影響を受けている可能性があります。

最初に見た1,000円という数字が、自分の中の基準になっているわけです。

でも、1,000円がそもそも適正な価格だったとは限りません。

2.「まだ上がる」と思うと、もう終わりかもしれない

逆に株価がどんどん上がっていると、

「ここまで上がったんだから、まだ上がるだろう」

と思ってしまいます。

周りから「儲かった」という話が聞こえてくると、乗り遅れたくない気持ちも出てきます。

これは群集心理や、最近起きていることを重視してしまう直近バイアスとも関係しています。

上がっているという事実を見て、

「これからも上がるはず」

と思ってしまう。

でも、今、株価が上がっていることと、これからも上がることは別の話です。

3.自分も、まさにこれをやっていた

実は僕自身、これを経験しています。

以前、ゴルフ予約サイトの会社の株を買ったことがあります。

株価が上がっているときに、

「まだ上がるんじゃないか」

と思って買いました。

ところが、その後株価は下落。

最初は、

「そのうち戻るだろう」

と思っていました。

ところが、さらに下がってくると、

「もっと下がったらどうしよう」

という恐怖が強くなってきました。

そして結局、怖くなって売ってしまいました。

高くなったところで買って、安くなったところで売る。

まさに自分がやっていたことです。

なぜ人は、スーパーのチラシでは1円でも安いモノを探すのに、株は高くなると買って、下がると売ってしまうのか
なぜ株は高くなると買いたくなり、下がると怖くなって売ってしまうのか?高値掴み・安値売りをしてしまう心理を、群集心理や損失回避など行動経済学の視点から、自身の投資経験を交えて解説します。

4.なぜ、下がると怖くなるのか

ここには損失回避という、人間の心理が関係しています。

人間は、同じ金額なら「得をする喜び」よりも「損をする苦痛」を強く感じやすいと言われています。

だから、株価が下がって含み損が大きくなると、

「また上がるかもしれない」

よりも、

「もっと損したらどうしよう」

という気持ちが強くなる。

そして損失を確定させてしまう。

一方で、買ったときに使ったお金を「もったいない」と感じると、今度は売れなくなることもあります。

これも人間の心理です。

5.「もう」と「まだ」を当てようとしない

こう考えると、

「もう底だ」

「まだ上がる」

という判断は、かなり難しいものだとわかります。

行動経済学は、

「こうすれば株で勝てる」

という必勝法を教えてくれるものではありません。

むしろ、

自分は今、感情に引っ張られていないか?

と気づかせてくれるものだと思っています。

「もう」「まだ」と思ったときこそ、一度立ち止まる。

それだけでも、以前の自分とは少し違う判断ができるかもしれません。

6.だから僕は、積み立てを選んだ

こうした経験もあって、僕は個別株で「もう」「まだ」を判断するより、投資信託の積み立てのほうが自分には合っていると思うようになりました。

毎回、

「今は高いのか?」

「まだ上がるのか?」

「もう下がらないのか?」

と考えていたら、感情に振り回されてしまうからです。

「もうはまだなり、まだはもうなり」。

この格言は、株価の未来を教えてくれる言葉ではありません。

むしろ、

自分の「もう」「まだ」という感覚を、一度立ち止まって考え直す。

そんな戒めの言葉なのかもしれません。

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