先日、本多静六の『私の財産告白』を書評として紹介した。
同じく「私の財産告白」をバイブルとして推薦している漫画がある。
三田紀房さんの『インベスターZ』だ。
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知人にすすめられて、読み始めた
この漫画を読み始めたきっかけは、投資の世界に詳しい知人の一言だった。
「インベスターZって投資の漫画知らない?」言われて気になった一冊だった。
正直、最初は「投資の漫画?」と半信半疑だった。ただ、著者の三田 紀房さんは、ドラゴン桜の著者でもあり、漫画が面白いので読んでみることにした。
投資の書籍は読みにくかったり、宣伝がらみだったりする。漫画だったら・・と思って買ってみた。
投資の入門には最高の漫画
物語の主人公は、中学1年生の財前孝史。入学した学園で投資部に入れられ、学園の資産3,000億円を運用することになる。
投資のことを何も知らない主人公が、先輩から一つずつ教わる形で進むので、読者も一緒に学んでいける。お金の成り立ちから、株や為替の基本まで、難しい話が漫画だからこそ頭に入ってくる。
専門用語が出てきても、主人公が「それって何ですか」と聞いてくれるので、置いていかれない。投資の本で最初につまずきやすい用語の壁が、この漫画ではほとんど気にならなかった。
三田漫画特有の大げさなところはあるが(笑)、それはそれでとても楽しめる。
漫画だから、事実にそぐわないところもある
もちろん、漫画なので、現実を脚色してるところもある。物語を面白くするための誇張もあるし、作中のとおりにやればうまくいく、という話でもない。
それでも、この漫画の価値は別のところにあると思う。まだ投資が今ほど世間に浸透していなかった時代に、いろんな人が投資をしてもいいんだと思わせてくれる入門書だった、という点だ。
日本では長いあいだ、貯金は安心、投資は危ないもの、というイメージが強かったように思う。自分の周りでも、投資の話をすると少し身構える人は少なくなかった。そういう空気の中で、中学生が堂々と投資を学んでいく物語が世に出たことには、意味があったと思う。
なんと、本多静六の名著「私の財産告白」が
読み進めていくと、作中で本多静六が取り上げられていた。
ちょうど『私の財産告白』を読んだ後だったので、「すごい、本多静六!」と思わず声が出そうになった。

本で読んだ考え方が、漫画の中で別の角度から語られている。同じ話でも、時代も形式も違う2つの作品で出会うと、記憶への残り方がまるで違う。
4分の1天引き法は、「仕組み化」の話だった
本多静六といえば、収入の4分の1を最初に天引きして貯める方法で有名だ。
あらためて思うのは、これは我慢の話というより仕組みの話だということだ。余ったら貯める、ではなく、先に貯める額を決めてしまう。意思の力に頼らなくても、勝手に積み上がっていく形にしておく。お金の話は、才能や知識より、続けられるかどうかで決まる部分が大きい気がしている。
自分は、相場の先を読む力が強いタイプではない。だから毎月決まった額を淡々と積み立てる方法が合っていた。貯金と投資のどちらが大事かを考えたときの結論も、結局ここに行き着く。判断をしなくていい形にしておく。時代が変わっても、このあたりの原則は変わらないのかもしれない。
投資は、知らないより知っていたほうがいい
投資をするかどうかは、人それぞれでいい。ただ、知らないより、知っていたほうがいいと、自分は思っている。
知らないまま「怖い」「怪しい」と遠ざけるのと、知ったうえで「自分には向いていない」と判断するのとでは、同じ「やらない」でも意味がまったく違う。知っていれば、選べる。
自分も、最初の頃はほとんど知識のないまま株を買って、損をした。あのとき、こういう漫画を一冊でも読んでいたら、少しは違ったかもしれない。もちろん、読んだからといって損をしなくなるわけではないが、「自分は今、何をしているのか」が分かるだけでも、ずいぶん落ち着いて判断できたはずだ。
難しい投資本が苦手ならぜひインベスターZを
投資の本は、どうしても最後まで読み切れないことがある。その点、漫画なら読み進められる。
書いてあることがそのまま通用するわけではない。それでも、難しい専門書に挑んで挫折するくらいなら、まずこの漫画を読むことをすすめたい。
そして、もう少し踏み込んで考え方の土台を知りたくなったら、本多静六の『私の財産告白』へ。この順番で読むと、きっと面白い。
漫画で全体のイメージをつかんでから、深い専門書を読む。そのほうが、頭にも残りやすい。
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