『ファイア・ドーム』|辻村深月さんが苦手だった自分があっという間の読了

辻村深月「ファイアドーム」2冊のイラスト 書評

辻村深月さんの作品は、これまで何作か読んできた。

ただ、正直に言うと、これまであまり自分には合わなかった。

なので、『ファイア・ドーム』も買おうかどうか、少し迷った。

上下巻なので、値段もそれなりにする。

それでも今回はさすがに気になって、思い切って購入してみた。

結果から言うと、買って大正解だった。

最近読んだミステリの中では、間違いなくナンバーワンだと思う。

最初から引き込まれた

読み始めて、まず感じたのが「読みやすい」ということ。

難しいことを考えながら読まなくても、自然に物語の中へ入っていける。

そして、最初から事件に引き込まれる。

「この先、どうなるんだろう」

そう思いながらページをめくっているうちに、どんどん先へ進んでしまった。

登場人物も、むやみに多くない。

それぞれの人物がきちんと描かれていて、共感しやすい設定になっている。

これがすごい。

ミステリの場合、事件そのものが面白くても、登場人物に興味を持てないと途中で冷めてしまうことがある。

でも『ファイア・ドーム』は違った。

登場人物それぞれに感情移入できるので、事件の行方だけではなく、**「この人たちはどうなってしまうんだろう」**という気持ちでも読まされる。

SNS時代だからこそ怖い

この作品で特に印象に残ったのが、SNS全盛の今の時代だからこそ感じる怖さだ。

事件が起きると、被害者に対して世間の興味が集まる。

そして、そこから根拠のないデマや、興味本位の書き込み、誹謗中傷などが広がっていく。

今では、決して珍しい話ではない。

ニュースやSNSを見ていても、事件が起きると、いつの間にか事実とは関係のない情報まで拡散されていることがある。

そして怖いのは、それが自分の身に降りかからないとは言い切れないこと。

自分が何か悪いことをしたわけでもないのに、突然、世間の注目を浴びる。

見えないところで噂が広がり、自分の知らないところで誰かに批判される。

そう考えると、かなり怖い。

『ファイア・ドーム』は、そんな**「見えない恐怖」**を題材にしている。

だからこそ、単なるミステリとしてではなく、かなり現実感を持って読めた。

上巻の終わり方がうまい

上下巻なので、読み始める前は「結構長いな」と思っていた。

ところが、そんな心配は必要なかった。

とにかく先が気になる。

気がつけば、どんどん読み進めている。

しかも上巻は、大きな盛り上がりを見せたところで終わる。

「ここで終わるのか」

という感じ。

当然、そのまま下巻を読むしかない。

むしろ、下巻を読まずにはいられない。

結果として、上下巻なのにあっという間に読み終わってしまった。

辻村深月さんが苦手だった自分が・・・

冒頭にも書いたように、自分はこれまで辻村深月さんの作品を何作か読んだものの、正直、あまり得意ではなかった。

だから今回も、買うかどうか少し迷った。

でも、『ファイア・ドーム』は本当に面白かった。

「辻村深月さんの作品だから」という先入観を持たずに読んでみてよかったと思う。

最近読んだミステリの中では、間違いなく自分のナンバーワン。

『ファイア・ドーム』を読んでみてほしい

上下巻なので、1冊の本と比べれば値段は高い。

それでも、

これは買って損はない。

そう思える作品だった。

今回、自分は上下巻を購入して読んだ。

これから読むなら、上巻・下巻それぞれを購入することもできるし、上下巻セットで一気に読むのもおすすめ。

『ファイア・ドーム』はこちら

ファイア・ドーム 上

ファイア・ドーム 下

ファイア・ドーム 上下巻セット

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辻村深月さんの作品が好きな人はもちろん、普段あまりミステリを読まない人にも読んでほしい。

そして、自分のように**「辻村深月さんはちょっと苦手かも」**と思っている人にも、一度読んでみてほしい。

今回は、いい意味で予想を裏切られた。

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